年末のNISA、今年の枠に入るかは受渡日で決まる。上場株は12月28日の約定まで、投資信託は申込不可日も確かめる
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NISAの今年の年間投資枠に入るかどうかは、注文した日では決まらない。日本証券業協会のNISAのよくある質問(Q32)には、購入した上場株式等の「受渡日」が今年の12月31日以前であることが必要、と書いてある。2026年は12月31日(木)が取引所の休業日なので、国内の上場株式やETFを今年の枠で買えるのは、2営業日後に受渡しが済む12月28日(月)の約定までになる。投資信託はさらに商品ごとに日付がずれる。倉庫で12年、出荷日と着荷日のずれで何度も締めを外しかけた自分が、年末の前に確かめておく順番をまとめる。

約定日と受渡日は、出荷日と着荷日の関係に近い
約定日は、売買が成立した日だ。受渡日は、代金を払って、買ったものが自分の口座に入ってくる日。株や投資信託では、この2つが同じ日にならない。
倉庫の仕事でいえば、約定日が出荷の確定、受渡日が届け先での受け取りにあたる。月末締めの取引先だと、伝票上は31日に出荷していても、着荷が翌月1日なら翌月の売上として扱われることがあった。どちらの日付で締めるのかを先に聞いておかないと、数字が1か月ずれる。新人のころ、それで課長に呼ばれたことがある。
NISAの年間投資枠は、着荷のほう、つまり受渡日で締める決まりだ。12月30日に注文が成立しても、受渡日が翌年の1月になれば、その買付は翌年の枠を使ったことになる。今年の枠を残したまま年を越し、来年の枠を少し先に使う形になる。
2026年の年末カレンダーを並べる

日本取引所グループの休業日一覧では、2026年の年末の休業日は12月31日(木)だけ、年明けは1月1日(金)から3日(日)まで休みになっている。つまり年内最後の取引日は12月30日(水)、年明けの最初の取引日は2027年1月4日(月)だ。12月の最後の2週間を曜日つきで並べた。
| 日付 | 曜日 | 取引所 | 上場株を約定した場合の受渡日 |
|---|---|---|---|
| 12月24日 | 木 | 営業 | 12月28日(月) |
| 12月25日 | 金 | 営業 | 12月29日(火) |
| 12月28日 | 月 | 営業 | 12月30日(水)=年内の最後 |
| 12月29日 | 火 | 営業 | 2027年1月4日(月) |
| 12月30日 | 水 | 営業(年内最終) | 2027年1月5日(火) |
| 12月31日 | 木 | 休業 | - |
受渡日は、国内の上場株式の「約定日から2営業日後」で数えた。12月29日(火)の約定は、2営業日後が31日の休業と三が日を飛ばして1月4日になる。2日の差で、使う枠の年が変わる。
手順1 上場株・ETFは12月28日の約定までと覚える
成長投資枠で国内のETFや個別株を年内に買い足したいなら、12月28日(月)までに約定させる。指値の注文が当日に約定しなかった場合も考えると、自分ならもう1日前の25日(金)を締めにする。
日本証券業協会のQ32は「金融商品によって約定日と受渡日の間隔が異なります」と付け加えている。外国の取引所に上場している株やETFは、日本の休業日と現地の休業日の両方が絡むので、さらに早めに締める必要がある。証券会社ごとに年末の締め切りを案内していることが多いので、国内の2営業日はあくまで最低限の目安と考えている。
なお、Q33によると年間投資枠の計算に購入手数料は含めない。単価に数量を掛けた取得の金額だけで数える。手数料の分まで枠を残しておく必要はない。
手順2 投資信託は「購入価額」の行を読む

投資信託は上場株と違い、注文した日にはまだ値段が決まらない。いくらで買えるかは目論見書の「お申込みメモ」にある「購入価額」の行に書いてある。たとえば三菱UFJアセットマネジメントの「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)」の月次レポートでは、購入価額は「購入申込受付日の翌営業日の基準価額」、申込締切は原則として午後3時30分までとなっている。
この場合、申込みが12月29日でも、値段が決まる日は翌営業日の30日になる。そのあと販売会社での受渡しがいつになるかは、証券会社ごとに違う。自分の使っている証券会社では、注文の確認画面に受渡予定日が出るので、そこが12月中になっているかを必ず見るようにしている。
つみたて投資枠の毎月の積立は、設定した日付どおりに自動で買い付けられる。12月の積立日を月末近くにしていると、受渡しが年をまたぐ商品があるかもしれない。自分は積立日を毎月10日にしているので、年末の締めには関係しないが、気になる人は12月分だけでも日付を確かめておくといい。
手順3 海外に投資する商品は申込不可日を開く
海外の株や債券に投資する投資信託には、申込不可日がある。オール・カントリーの月次レポートには、ニューヨーク証券取引所、ニューヨークの銀行、ロンドン証券取引所、ロンドンの銀行、香港取引所、香港の銀行の休業日には購入・換金ができない、と書かれている。
年末は、この申込不可日が集まる時期だ。12月25日のクリスマスは、ニューヨークもロンドンも休みになる。日本の取引所が開いていても、その日はこの商品の申込みを受け付けない。具体的な日付は、運用会社のサイトの「お申込み不可日一覧」に載っているので、12月に入ったら一度開いておく。
倉庫でも、年末は運送会社ごとに最終集荷日が違った。自社の稼働日だけ見て段取りを組むと、荷物が年内に出ない。投資信託の申込不可日は、それと同じで相手側の休みだと思っている。
手順4 枠の残りは約定の金額で数える

金融庁の特設サイトでは、年間投資枠はつみたて投資枠が120万円、成長投資枠が240万円、合わせて360万円まで。年末に「残りを使い切りたい」と思ったら、まず証券会社の画面で今年の利用額を確かめる。
見落としやすいのが分配金の再投資だ。日本証券業協会のQ35では、分配金で再投資した分も、その年のつみたて投資枠や成長投資枠に受け入れられ、年間投資枠の利用金額に加算されると説明している。年末近くに決算を迎える商品を持っていると、自分で注文していないのに枠が少し減っていることがある。
もう1つ、使い切れなかった今年の枠は翌年に持ち越せない。生涯の非課税保有限度額1,800万円は残るので、損をするわけではない。ただ、年末に急いで枠を埋めるために、よく知らない商品を買うのは本末転倒だと考えている。
自分が年末にやらないと決めたこと
年末の締めを調べた結果、自分は次の3つを決めた。
- 成長投資枠での追加は、12月の第3週までに済ませる。2026年なら18日(金)を目安にする
- 海外に投資する投資信託は、12月に入ったら申込不可日一覧を開いてから注文する
- 枠を埋めるためだけに、初めての商品を年末に買わない
未経験のころ、自分は「年内に買えば今年の枠」だと思い込んでいた。倉庫の締めと同じで、どの日付で締めるのかを先に確かめる。それだけで、年をまたぐずれはほとんど防げる。用語としての約定日と受渡日は、このページの下の15問稽古にも入れてある。
- 日本証券業協会「NISAに関するよくある質問」(Q32・Q33・Q35) https://www.jsda.or.jp/nisa/faq/
- 日本取引所グループ「営業時間・休業日一覧」 https://www.jpx.co.jp/corporate/about-jpx/calendar/index.html
- 三菱UFJアセットマネジメント「eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)月次レポート」 https://www.am.mufg.jp/pdf/geppou/253425.pdf
- 金融庁 NISA特設ウェブサイト「NISAを知る」 https://www.fsa.go.jp/policy/nisa2/know/index.html